当院の想い
- HOME
- 当院の想い
当院の想い
皮膚病はワンちゃんだけの苦しみではありません
「ワンちゃんの皮膚病は、ご家族さまにとっても、大変深刻なことです」
私が診察のなかで常に感じているのは、皮膚病治療の奥深さと、それに向き合う責任の重さです。
現在、動物病院を訪れる理由として最も多い皮膚病ですが、当院には、長い間症状に苦しみ、一縷の望みをかけて遠方から足を運んでくださる飼い主さまが数多くいらっしゃいます。
これまで様々な皮膚治療を経験してきたノウハウを活かして、ワンちゃんはもちろんご家族の方のお力になれるように日々精進してまいります。
飼い主として獣医としての悔しさを糧に
私が獣医師を目指したきっかけは、子供の頃に飼っていた愛犬がフィラリアに罹ったことでした。
当時は今ほど安全な薬がなく、動物病院で処方される薬はワンちゃんの体に負担が大きいものでした。
愛犬が嘔吐し、ご飯も食べられずに苦しむ姿を間近で見て、「どうにかこの子を助けたい」と心から願ったあの時の思いが、私の原点です。
その後、一般診療を行う中で皮膚科の奥深さに触れることになります。
どれだけ尽くしても完治に至らない子がいたのです。
セオリー通りにシャンプーをしても疾患が別の場所に増えてしまい、食事やアレルギーを考えても一時的な改善に留まる。
教科書通りにはいかない現実を前に「もっと勉強したい」と決意し、私は皮膚科専門病院(皮膚病学では60年以上の経験をお持ちの名医である先生)の門を叩きました。
そこでは、一般的な病院では稀な重症例など、恩師の指導臨床を10年。
そして更に7年皮膚専門の院長としての診察・治療を通して悩み抜く多くの方々と向き合い、研鑽を積んで18年目を迎えました。
今や室内犬が当たり前になり、夜は一緒に寝ているというご家族も多いでしょう。
それこそが今、ワンちゃんと人間との距離が昔に比べて庭から家の中へと近くなったため。
だからこそ、皮膚病を患う子が夜中に痒みで鳴いたり、体を掻いてほしいと訴えたりすることで、ご家族までもが眠れなくなってしまう辛さは痛いほどよく分かります。
私自身もかつて、苦しむ愛犬を前に同じような夜を過ごした一人の飼い主だからです。
ワンちゃんはもちろん、ご家族の平穏な生活を取り戻し「掻くことも無くなり寝られるようになりました。」と伺う時は、ご家族様は笑顔で、ワンちゃんは生き生きとしたきれいな目をしており、私も本当に嬉しく思う瞬間です。
診療の流れ
問診:ご家族と一緒に原因を紐解く大切な時間(飼い主様からのご質問等が多い場合2時間を超えてしまう事もご了承ください)
不安等持って帰って頂きたくない一心です。それは大切な家族の事だからです。
皮膚病の要因は、驚くほど多岐にわたります(ですが問診票の診断名が不明や皮膚病・皮膚炎等)。
皮膚病に何百と種類が有り、皮膚炎は皮膚に炎症が有れば全て皮膚炎となります。
診断名のはっきりしない状態でも患者様は皆お薬を服用されております(何の為のお薬なのか?行く先が分からないまま切符は買えないと同じ様に感じます)。
患者様は話す事が出来ません(だからこそしっかり目の前の患者様の状態が大切です。勿論飼い主様にお伺いする事も大切です。それに加え目の前に居る患者様に五感全てを当院は駆使致します)。
ワンちゃんが口にする物や現在のお薬、お散歩の頻度はもちろんですが、当病院はもっと踏み込んだ「日常の細部」まで大切にしたいと考えています。
例えば、いつも過ごすお部屋はフローリングなのか、それともカーペットなのか。
シャンプー剤の種類は何を使っているか。
お散歩コースにどんな草花が生えているか。
一見、診察には関係なさそうな些細な情報の中にこそ、根本的な解決のヒントが隠されているからです。
そのため、初めてご来院いただく際は、お話を伺うために長めのお時間を頂戴しています。(基本的に2時間)
皮膚トラブルは、一見同じ症状に見えても、実は複数の要因が重なり合っていることも少なくありません。
原因を正しく突き止めることで、お薬に頼りすぎることなく、食事やシャンプーの回数を見直すだけで劇的に改善へと向かうケースもあります。
私自身も一人の飼い主として、愛犬の悩みはどんな小さなことでも不安に感じるものです。
ぜひ、気兼ねなく何でもお聞かせください。二人三脚で、ワンちゃんにとって最善の道を探していきましょう。
治療方針のご相談:二人三脚で、無理なく続けられる計画を
皮膚病を根本から治していくためには、ご家族の皆さまのご協力が何よりの力となります。
私がどれほど専門的なご提案をしても、日常の中でお薬やスキンケアを実践していただけなければ、高い効果は望めません。
だからこそ、私はまず「なぜこの治療が必要なのか」を心から納得していただけるまで、丁寧にご説明することに全力を注いでいます。
皮膚病の症状によっては、残念ながら一朝一夕にはいかず、根気強く長い期間取り組まなければならないこともあります。
治療が長引けば、ワンちゃんだけでなく、支えるご家族の心身にも疲れが溜まってしまうものです。
私は、飼い主さまに決して諦めてほしくありません。
だからこそ、今の生活スタイルの中で「これなら無理なく続けられる」という方法を、ご家族と一緒に徹底的に考えます。
そして、日々の診察では飼い主様のご意見を伺いながら変化を積極的にお伝えするようにしています。
「良くなったでしょう?」という事は申し上げません。それを一番に実感されるのは飼い主様から状態を伺いたいからです。
此方からの決めつけた発言によって別のご意見を伺えなくなるからです。ご家族が孤独に悩むことのないよう、私たちが最後までしっかり伴走いたします。
お薬の処方:体に負担をかけない、0.01mg単位の優しさを
当院では皮膚病のお薬を、あえて既製品の錠剤ではなく、その子に合わせて調剤する「オーダーメイドの粉薬」でお渡ししています。
粉末にする理由は、体重や症状に合わせて、薬の量を0.01mg単位で綿密に計算するためです。
来院時には必ず体重の測定を行います。
状況に合わせて毎回お薬をお作りする事でワンちゃんの小さな体に余分な負担をかけるのを最小限に抑えます。
その時の病状に対して「必要かつ十分な量 例えば0.1gは0.11gでは駄目なのです」を正確に届けること(その為作り置きのお薬は一切ありません。毎回その都度お作りするオーダーメイドのお薬となります)。
それが、専門病院としての私のこだわりです。(その為に調剤にお時間を頂いてしまう事が御座います)
また、お薬がなくなる前には必ず一度、服用後の様子を見せに来ていただくようお願いしています。
2回目の来診時にお薬の効き方を伺うためです(人間と同じ検査を行ってもお薬の作用は人も犬も皆、効果の効き方が違う為、それを飼い主様にしっかり判断して頂きたい為です)。
人の麻酔と同じに、どんなに検査しても今現在100%の麻酔が無いのと同じだからです。
「調子が良くなってきたのに、強いお薬を出し続ける」ということはいたしません。
経過が良ければお薬を減らし、より負担の少ない種類へ切り替えたりと、常にワンちゃんの体の状態に合わせて最適化していくことを心がけています。
基本的に患者のお薬は初回に比べて改善速度にもよりますが増量になる事が殆ど有りません(自己免疫性疾患を除く)。
「今、この子にとって本当に必要なものは何か」を常に考え、一歩ずつ慎重に、かつ確実に改善へと導いてまいります。
お家でのケア:ストレスなく、日常に溶け込む工夫
「お薬を飲ませるのが大変そう」と不安に思われるご家族様も多いですが、実はやり方ひとつで、ワンちゃんの負担なくスムーズに行うことができます。
例えば、一口で食べられるようにチーズ・餡子(先に師事しお世話になっていた先生に説明に反映するように言われておりました餡子は好き嫌いが有るようですが)などに練り込み、1日に必要な量を数回に分けて与えるなど、ストレスを感じさせないためのテクニックが今迄経験上数え切れない程御座います。
こうした具体的な「飲ませ方のコツ等」についても、診察室で丁寧にご説明していますので安心してください。
また、お薬の時間は、基本的に「朝・夕方・寝る前」の3回に設定しています。日中お仕事で家を空けられる方でも、無理なくスケジュールをクリアできるのが特徴です。
お薬を「飲ませなきゃいけない苦労」にするのではなく、無理のない患者さんが逆に欲しがるような服用方法を用いております。
ご家族とワンちゃんが、笑顔でお家での時間を過ごせるよう、細かな工夫までしっかりサポートさせていただきます。
飼い主様へ
皮膚病のきっかけ
例えば季節的な要因(湿度と気温)の変化に伴って、皮膚病の発症度合いも変わってきます。
ジメジメした梅雨の時期などは皮膚病が出やすい時期です。
しかし、そういった時期が過ぎると少し皮膚病が落ち着く場合もあり、それを治ったと勘違いされる場合も多いです。
そのまま病院に行かずに放っておいてしまうと、また来年の梅雨の時期に発症してしまい、それを繰り返すことで症状も酷くなり、慢性化してしまいます。
一見治ったと思っても、きちんと動物病院に連れて来てしっかり見せることが大事です。
早期に治療を行うことで結果的に費用や期間も抑えることができます。
アレルギーでお悩みの方も増えてきています
最近はノミ、ダニの死骸やダニの糞などを含んだ粉塵によるハウスダストが原因のアレルギーを持つ子が増えているように感じます。
しかしご自宅の粉塵を全て取り除くのは難しいことだと思います。
抗ヒスタミン剤などの処方に加えて、シャンプーを控えるようご案内しています。(どんなに可愛いわが子でも犬には本能・皮膚の構成の人間との違いが有ります)
勿論、通常であれワンちゃんの体を洗っても問題が無い場合も無い訳では有りませんが、アレルギー持ちの子は特に、ワンちゃんの体表面の皮膚バリアを崩さないようにすることが大切です。(最近は庭で犬を飼うと言う事が少なくなってしまいました 昔番犬と呼ばれていた頃 フィラリア・洋服・血統の判明しているMIX犬等は余り居りませんでした)
時には治療に年単位の時間が必要となる場合があります(対処療法を繰り返す事でお薬の量が人間量をはるかに超えてしまっておりその為に薬での副作用を同時に起こしている患者様もおりアレルギーに薬の副作用の絡んでしまっている場合)皮膚治療の中でもより根気強さが必要になってきます。
例え完治が難しくても、生活への支障をできるだけ下げて普通の生涯を送れる程度にまで症状をコントロールすることであれば不可能ではないと考えています。
皮膚病の早期発見・治療に繋げるためには?
例えば人間の子供でも指を咥えないと眠れない子がいますが、その瞬間は指が赤くなっていても翌朝には治っています。
ワンちゃんも同じで、掻くこと自体は普通の行為です。
問題なのは掻いた後にその部分が赤く腫れたり、血が滲んだり、名前を呼んでも掻くことが止められないことなのです。
掻いている様子だけでなく、掻いた後の皮膚の様子を常日頃からしっかり見てあげてください。
排泄物の様子を確認することも大切で、例えば便の硬さからもその子が栄養過多か否かがわかります。
体型と皮膚病とでは一見無関係に感じますが、体が痩せている子は皮膚に栄養が届きにくく、皮膚病の治りも遅くなってしまいます。
痩せ気味の子には一日の摂取量を増やすよう指導しています。
もちろん、太り過ぎると別の病気にかかってしまいますので、バランスを見ながら指導いたします。